H27年 水質有害物質特論 問15 問題と解説

シアン化合物の検定に関する記述として、誤っているものはどれか。

1. 試料中のシアン化合物は変化しやすいので、試料採取後、直ちに試験する。
2. 直ちに試験できない場合は、りん酸を加えてpHを約2として保存する。
3. 試料中に残留塩素がある場合は、アスコルビン酸を加えて還元しておく。
4. 分析前処理においてはEDTAを共存させ、pH2以下のりん酸酸性下で加熱蒸留する。
5. コバルト、水銀などのシアノ錯体は、加熱蒸留時の分解率が低い。

　解 説　　　　

シアンの保存条件は、水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを約12にして保存することです。

ただし、残留塩素など酸化性物質が共存する場合は、L-アスコルビン酸を加えて還元した後、pHを約12とします。これは、酸化性物質によってシアン化物イオンがシアン酸イオンとなり測定誤差が生じるのを防ぐためです。

よって、(2)のようにりん酸を加えてしまうとシアン化物イオンが安定ではいられず、正しい測定が行えません。