H27年 汚水処理特論 問16 問題と解説

アナモックス反応に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

アナモックス反応では、₍₁₎好気性の₍₂₎独立栄養細菌により、₍₃₎アンモニア態窒素及び₍₄₎亜硝酸態窒素が₍₅₎窒素ガスへ変換され、その過程で少量の硝酸態窒素が生成する。

　解 説　　　　

アナモックス(Anammox)は、「Anaerobic Ammonia Oxidation」の略で、直訳すると「嫌気性アンモニア酸化」となります。よって、(1)の「好気性」が誤りで、正しくは「嫌気性」となります。

アナモックス反応は汚水処理技術としてはかなり新しく開発された方法です。

従来の生物的硝化脱窒素法では、アンモニア態窒素を硝化して硝酸態窒素とし、これを脱窒素により窒素ガスに変えていました。硝化工程で独立栄養細菌を使い、脱窒素工程において従属栄養細菌を使っていたので、それぞれ別の槽が必要となります。

一方、このアナモックス反応であれば、嫌気性の独立栄養細菌によって、アンモニア態窒素や亜硝酸態窒素を直接(硝酸態窒素を経ずに)窒素ガスに変えるため、反応槽が1つで済むというメリットがあります。

(以下、参考)

上記で「硝酸態窒素を経ずに」と書きましたが、反応の副生成物として硝酸態窒素が少量(生成物の1割程度)つくられます。それが、問題文の最後に書いてある部分です。ただし、これら(窒素ガスと硝酸態窒素)は同じ反応槽で出来上がるので、段階的に反応させる生物的硝化脱窒素法とは意味合いが異なります。