H27年 汚水処理特論 問1 問題と解説

粒子の沈降速度に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 粒子の沈降速度は、粒子に働く力がつり合った時点からの終末沈降速度を指す。
  2. 沈降速度は、レイノルズ数によって、ニュートンの式、アレンの式、ストークスの式のいずれかの式で表される。
  3. 粒子の直径が小さくなると、レイノルズ数は大きくなる。
  4. 排水処理で取り扱う粒子は、一般に直径も沈降速度も小さく、ほとんどストークスの式に従うと考えてよい。
  5. ストークスの式では、粒子の沈降速度は、粒子の直径の2乗に比例する。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

レイノルズ数とは、慣性力と粘性力との比で表されます。大雑把にいうと、流れやすさの尺度として使われます。この数値が高いほど流れが良く(=抵抗が小さく)、数値が低いほど流れが悪く(=抵抗が高く)なります。

(3)のように粒子径が小さくなると、粒子は浮力(抵抗力)を強く受けてゆっくり沈むようになります。よって、レイノルズ数は小さくなるので、(3)が誤り(正解の選択肢)です。

ちなみに、(2)に関連して、レイノルズ数の小さい(2以下)領域はストークス域と呼ばれ、大きい(500以上)領域をニュートン域と呼びます。また、その間の領域はアレン域です。

ただし、(4)の通り、排水処理に関しては主にストークス域しか使わないので、3つの式をそれぞれ覚える必要はあまりなく、以下のストークスの式を押さえておくことが重要です。この式を見ると、(5)も正しいことがわかります。

  • v:沈降速度
  • d:粒子径
  • ρ:粒子の密度
  • ρ0:液体の密度
  • g:重力加速度
  • η:液体の粘性

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