排水処理に関する記述のうち、製油所からの排水処理に該当しないものはどれか。
- BOD、COD及びフェノールは、活性汚泥プロセスで処理する。
- 油分の処理には、オイルセパレーターを使用する。
- クロメート排水は、還元後、沈殿除去処理する。
- 硫化水素、アンモニアが含まれるプロセス排水は、排水ストリッパーで加熱分離する。
- SSは、排水に硫酸アルミニウム等を添加し、凝集沈殿処理する。
正解 (3)
解 説
「クロメート」は「クロム酸」という意味なので、これは金属の表面にクロム酸を吹きつけて皮膜を作ることを指す言葉です。表面処理工程のクロメート排水に含まれる6価のクロム酸は、亜硫酸ナトリウムなどで3価に還元してから処理されます。
よって、(3)の文章自体は間違っていないのですが、クロメート処理をするのは問題文にある「製油所」ではなく、正しくは「製鉄所」からの排水処理になります。
ほかの選択肢はいずれも正しい記述ですが、重要事項なので併せて押さえておいてください。製油所からのプロセス排水の処理フローは以下の図の通りです。
最初に「油水分離」を行います。ここでは大雑把に油分と水分を分離します。
次に「排水ストリッパー」です。ここでは揮発成分を気体に変えて、除去します。成分でいうと窒素分(アンモニア)と硫黄分(硫化水素)がここで取り除かれます。
その後、「オイルセパレーター」によって油を分離します(先ほどの油水分離よりはきちんと分けます)。
オイルセパレーターで大体の油分を除去できますが、ある程度は残ってしまうので、その後段で「活性汚泥」を使います。これにより、油分はほぼ除去できます。
それから「急速ろ過」と「活性炭処理」にて、SS分などを処理します。
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