H26年 大気有害物質特論 問6 問題と解説

次の記述に該当する特定物質はどれか。

沸点26℃の無色透明な揮発性の液体である。蒸気の密度1.20kg/m3N、空気に対する比重は0.93で、爆発性の混合気を生じる。水に対する溶解度は無限大であり、水溶液は弱酸性を呈する。漏洩したときは水洗することもできるが、排水の処理には十分な注意が必要である。

  1. ホスゲン
  2. 塩化水素
  3. ホスフィン
  4. 二硫化炭素
  5. シアン化水素

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

まず、(2)の塩化水素と(3)のホスフィン(りん化水素)は気体なので、真っ先に除外できます。

また、(1)のホスゲン(塩化カルボニル)は爆発性がないので、これも除外できます。ある特定物質が爆発性を持つか持たないかは、この手の問題で正解するために便利な指標になりますので、ホスゲンに限らず、爆発性の有無を確認しておくと良いと思います。

残る(4)の二硫化炭素と(5)のシアン化水素はどちらも揮発性の液体で爆発性もあるので悩むところですが、「空気に対する比重は0.93」という部分と、空気の平均分子量が29ということを知っていれば、

なので、分子量が27程度であるものが正解だとわかります。二硫化炭素(CS2)は分子量76で、シアン化水素(HCN)は分子量27なので、正解は(5)のシアン化水素となります。

ちなみに、空気の平均分子量の出し方ですが、空気は窒素(N2)が80%、酸素(O2)が20%と考えて、その分子量と存在比から、

と計算できます。

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