H26年 大気特論 問6 問題と解説

燃焼装置の低温腐食と高温腐食に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 低温腐食の原因は、排ガス中のSO3である。
  2. 排ガスの温度が酸露点以下では、ガス状の硫酸が凝縮する。
  3. 高温腐食の一つであるバナジウムアタックは、燃焼ガス中のNOxが五酸化バナジウムによる腐食作用を促進したものである。
  4. 高温部の伝熱面温度を下げることが、高温腐食の対策として効果的である。
  5. 高温伝熱面の付着物を落とすスートブロワーを適切に配置するのが、高温腐食の対策として効果的である。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

バナジウムは高温になると溶け出して、燃焼装置の伝熱面に付着し、腐食させます。また、そこにナトリウムが存在すると燃焼ガス中のSOxと反応して硫酸ナトリウムとなり、これが腐食作用を促進します。このような高温腐食現象をバナジウムアタックと呼びます。

よって、(3)の文中にある「NOx」が誤りで、正しくは「SOx」となります。

参考までに、高温腐食対策としては以下のようなものが挙げられます。併せて確認しておいてください。

  • 高温部の伝熱面の表面温度を下げる
  • 伝熱面の付着物を落とす
  • ドロマイトなどの添加剤を注入して灰の融点を上げる
  • バナジウム、ナトリウムの少ない重油を使用する
  • 定期点検時などを利用し、スケールの除去を行う

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