燃焼装置の低温腐食と高温腐食に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 低温腐食の原因は、排ガス中のSO3である。
- 排ガスの温度が酸露点以下では、ガス状の硫酸が凝縮する。
- 高温腐食の一つであるバナジウムアタックは、燃焼ガス中のNOxが五酸化バナジウムによる腐食作用を促進したものである。
- 高温部の伝熱面温度を下げることが、高温腐食の対策として効果的である。
- 高温伝熱面の付着物を落とすスートブロワーを適切に配置するのが、高温腐食の対策として効果的である。
正解 (3)
解 説
バナジウムは高温になると溶け出して、燃焼装置の伝熱面に付着し、腐食させます。また、そこにナトリウムが存在すると燃焼ガス中のSOxと反応して硫酸ナトリウムとなり、これが腐食作用を促進します。このような高温腐食現象をバナジウムアタックと呼びます。
よって、(3)の文中にある「燃焼ガス中のNOx」が誤りで、「重油中に含まれるナトリウム」などとするのが正しいです。
参考までに、高温腐食対策としては以下のようなものが挙げられます。併せて確認しておいてください。
- 高温部の伝熱面の表面温度を下げる
- 伝熱面の付着物を落とす
- ドロマイトなどの添加剤を注入して灰の融点を上げる
- バナジウム、ナトリウムの少ない重油を使用する
- 定期点検時などを利用し、スケールの除去を行う
コメント
バナジウムアタックはナトリウムの存在が重要なので、「SOx」ではなく「ナトリウム」ではないでしょうか?
修正しました。ご指摘ありがとうございます!