H26年 大気概論 問3 問題と解説

大気汚染防止法に規定する揮発性有機化合物排出施設のうち、誤っているものはどれか。

  (施設):(規模)

  1. 塗装施設(吹付塗装を行うものに限る。):排風機の排風能力が1時間当たり100000立方メートル以上のもの
  2. 塗装の用に供する乾燥施設(吹付塗装及び電着塗装に係るものを除く。):送風機の送風能力が1時間当たり10000立方メートル以上のもの
  3. 印刷の用に供する乾燥施設(オフセット輪転印刷に係るものに限る。):送風機の送風能力が1時間当たり7000立方メートル以上のもの
  4. 印刷の用に供する乾燥施設(グラビア印刷に係るものを除く。):送風機の送風能力が1時間当たり27000立方メートル以上のもの
  5. 工業の用に供する揮発性有機化合物による洗浄施設(当該洗浄施設において洗浄の用に供した揮発性有機化合物を蒸発させるための乾燥施設を含む。):洗浄施設において揮発性有機化合物が空気に接する面の面積が5平方メートル以上のもの

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

揮発性有機化合物排出施設ではないものを選ぶ問題ですが、これら施設名と規模を表す各数値を覚えている人はそう多くないと思います。よって、この問題は捨て問題にしてしまっても良いと個人的には思うのですが、ここでは言葉の意味合いの面から考えてみます。

選択肢(3)と(4)はどちらも「印刷の用に供する乾燥施設」ですが、( )内の説明が違います。(3)は「オフセット輪転印刷に係るものに限る。」で、(4)は「グラビア印刷に係るものを除く。」なのでこれらが両方とも正しいと仮定すると、オフセット輪転印刷は(3)にも(4)にも属してしまうことになり、おかしいです。よって、まずは(3)か(4)のどちらかが間違いだといえそうです。

そうなると、(3)の「限る」が本当は「除く」であるか、逆に(4)の「除く」が本当は「限る」であるかだと予想できます。しかし、ここで(3)の「限る」を「除く」にしてしまうと、オフセット輪転印刷でもグラビア印刷でもないものが(3)にも(4)にも属してしまうことになり、やはりおかしいです。

以上のように考えると、(4)の「除く」が正しくは「限る」であると判断でき、実際、その判断で合っています。

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