H26年 水質有害物質特論 問13 問題と解説

水素化物発生原子吸光法による、ひ素化合物の検定方法に関する記述中、(ア)~(ウ)の中に挿入すべき語句の組合せとして、正しいものはどれか。

試料を硫酸、硝酸及び( ア )で前処理した後、塩酸酸性溶液とする。これに( イ )を加えしばらく放置し、ひ素(Ⅴ)をひ素(Ⅲ)に還元する。この溶液を連続式水素化物発生装置において( ウ )と反応させて水素化ひ素を発生させ、これを水素-アルゴンフレームに導いて吸光度を測定し、ひ素を定量する。

   (ア)             (イ)             (ウ)

  1. よう化カリウム      ペルオキソ二硫酸カリウム   テトロヒドロほう酸ナトリウム
  2. ペルオキソ二硫酸カリウム テトラヒドロほう酸ナトリウム よう化カリウム
  3. 過マンガン酸カリウム   よう化カリウム        テトラヒドロほう酸ナトリウム
  4. 過マンガン酸カリウム   テトラヒドロほう酸ナトリウム よう化カリウム
  5. 重クロム酸カリウム    よう化カリウム        ペルオキソ二硫酸カリウム

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

水素化物発生原子吸光法によるひ素の検定の問題はたびたび出題されています。全体の流れとともに、試薬の名前なども正確に覚えておいたほうが良さそうです。

まず、試料を硫酸、硝酸、過マンガン酸カリウムで前処理します。これにより、測定の妨害物質となり得る有機物の分解などが行われます。注意点として、前処理の硝酸が残存すると、硝酸イオンや亜硝酸イオンにより水素化ひ素の発生が妨害されるため、白煙が出るまで加熱して、しっかりと硝酸を除去しておきます。

続いて、前処理後の試料溶液によう化カリウムを加えて、ひ素(Ⅴ)をひ素(Ⅲ)に還元します。次の反応(水素化ひ素にする反応)が、3価のひ素じゃないと進行しないためです。

このあと、ひ素(Ⅲ)の溶液をテトラヒドロほう酸ナトリウム溶液と反応させて、水素化ひ素を発生させます。

最後に、水素化ひ素を水素-アルゴンフレームに導いて吸光度を測定します。

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