H26年 大規模大気特論 問4 問題と解説

煙突排ガスの上昇高さに関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 煙突排ガスは、基本的には運動量の効果と浮力の効果により上昇する。
  2. 運動量の効果は吐出速度が大きくなるにつれて大きくなる。
  3. 浮力の効果は排出熱量が大きくなるにつれて大きくなる。
  4. 風速が大きくなるにつれて、運動量の効果は小さくなるが、浮力の効果は影響を受けない。
  5. コンカウ(CONCAWE)の式は、運動量の効果を扱っていない。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

(1)の通り、排ガスは基本的には運動量の効果と浮力の効果により上昇しますが、これらは風速を含んだパラメータです。風が吹けば排ガスは風にあおられて流れてしまうので、排ガスの上昇高さは低くなりますが、これは運動量の効果が減少すると同時に、浮力の効果も減少しているためです。

極端な話、突風のような大風が吹けば排ガスは全然上昇せず、ほとんど真横に流れることがイメージできるかと思います。これはまさに、風速が大きいことで運動量や浮力による効果がキャンセルされていることを示しています。よって、(4)の記述が誤りだと判断できます。

ちなみに、ボサンケの式を用いるともっと数学的に説明することができますが、式が複雑であり試験対策としてこれを記憶しておくのはあまり有用ではなさそうなので、ここでは割愛します。興味がある方は「ボサンケの式」を調べてみてください。

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