H25年 水質有害物質特論 問1 問題と解説

重金属排水の処理に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 凝集沈殿法で処理するためには、一般にアルカリ剤によるpH調整が必要である。
  2. 水酸化物法は、カセイソーダや消石灰を添加して処理する方法である。
  3. イオン交換法では、陽イオンを分離するときには陽イオン交換樹脂を用いる。
  4. 置換法は、キレート剤で封鎖されている重金属を他の無害な金属で置換し、置換された重金属を水酸化物として沈殿させる方法である。
  5. フェライト法は、鉄(Ⅲ)イオンを含む溶液にアルカリを加え、酸化処理によりマグネタイトを生成させる方法である。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

(5)に関して、重金属を含む排水中に鉄(Ⅱ)イオンを適当量加え、アルカリを添加後、60℃以上に加熱して空気酸化させることで、重金属イオンを含む強磁性マグネタイトの結晶が生成し、分離回収されます。このような排水処理の方法をフェライト法といいます。

よって、(5)の「鉄(Ⅲ)イオン」が誤りで、これを「鉄(Ⅱ)イオン」に直せば正しい文章となります。

以上から、正解は(5)です。

コメント