H25年 大規模大気特論 問2 問題と解説

気温、温位と安定度に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 気温が高さとともに増加する大気層は安定である。
  2. 気温が高さによらず一定の大気層は安定である。
  3. 気温の減率が乾燥断熱減率より小さい大気層は安定である。
  4. 気温が高さとともに減少し、温位が高さとともに増加する大気層は中立である。
  5. 温位が高さとともに減少する大気層は不安定である。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

温位の定義は「ある気塊を標準的な参照圧力(気圧1000hPa)へ断熱的に変化させたときの温度」なのですが、これがイメージしづらい場合は、気温の減率が乾燥断熱減率より小さいときは温位が高く、気温の減率が乾燥断熱減率より大きいときは温位が低いと覚えてください。

つまり、温位と気温の減率はその高低が逆の関係になります。たとえば選択肢(5)を考えると、「温位が高さとともに減少する」→「気温の減率が高さとともに大きくなる」と読みかえれば良いです。

選択肢(4)は前半部の「気温が高さとともに減少する」というところだけを読んでも、その減少具合が乾燥断熱減率より大きいのか小さいのかわかりません。しかし、後半部の「温位が高さとともに増加する」ということから、気温の減率は乾燥断熱減率より小さいことがわかるので、上層の空気が下層に比べてそんなに冷たくなるわけではなく、大気層は安定となります。

コメント