H23年 水質有害物質特論 問5 問題と解説

微生物を利用したセレン排水の処理に関する記述中、(ア)~(ウ)の中に挿入すべき語句の組合せとして、正しいものはどれか。

生物還元法は、( ア )条件下で、微生物によりセレン(Ⅵ)を( イ )に還元する技術である。生物処理における( ウ )工程でセレン酸還元菌を馴養し、セレン還元と( ウ )を同時に行う方法が開発されている。

  (ア)    (イ)       (ウ)

  1. 好気性  セレン(Ⅳ)     硝化
  2. 嫌気性  金属セレン(Se0)  硝化
  3. 嫌気性  セレン(Ⅳ)     脱窒素
  4. 嫌気性  金属セレン(Se0)  脱窒素
  5. 好気性  金属セレン(Se0)  硝化

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

この問題は、(ア)と(イ)については理解ではなく知識が要求されます。生物還元法は嫌気性条件下での反応です。嫌気性微生物によりセレン(Ⅵ)を0価の金属セレンに還元します。

(ウ)については脱窒素が正解ですが、選択肢にある「硝化」は好気性細菌による酸化反応で、「脱窒素」は嫌気性細菌による還元反応です。

硝化のための好気性細菌とセレン酸還元菌(嫌気性)とでは、酸素があってもなくても一方が働かなくなってしまいますので、同時処理ができません。脱窒素のための嫌気性細菌であれば、セレン酸還元菌と一緒でも、嫌気性条件下で一緒に働くことができます。

コメント