H23年 水質概論 問4 問題と解説

特定工場における公害防止組織の整備に関する法律に規定する汚水等排出施設に該当しないものはどれか。

  1. 畜産食料品製造の用に供する原料処理施設
  2. 紙の製造の用に供する漂白施設
  3. 石けんの製造の用に供する原料精製施設
  4. 生コンクリート製造業の用に供するバッチャープラント
  5. 砂利採取業の用に供する水洗式分別施設

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

この問題も前の問題(問3)と同じように、規定された施設を覚えていれば解けるのですが、その数が多過ぎて覚えきれないと思います。そのため、汚水等排出施設になるような汚い(有害な)水が出るかどうかを考えていくほうが現実的な解き方です。

ちなみに、出題傾向の観点から見ると、「製造」と付くものは汚水等排出施設に該当する場合がかなり高いです。今回の問題でいえば(1)、(2)、(3)、(4)がそれに当たるので、これらは有害性を検討するまでもなく正解の選択肢から外しても構わないと思います。つまり、(5)しか残らないので、これだけで正解を選ぶことができます。

…とはいえ、毎回この判断だけで選択肢が1つに絞れるわけではないので、以下にもう少し具体的な観点からの解法について説明します。

選択肢(1)は畜産食料品なので、有機物がたくさん含まれていそうです。有機物が多いと、その排水にはBODやCOD、窒素などが高くなるので汚水等排出施設となります。

選択肢(2)は紙の漂白施設ですが、漂白剤を使うため、これも排水に有害物質が含まれていると考えられます。

選択肢(3)は石けんですので、これも有機物です。選択肢(1)と同様、汚水を生じます。

選択肢(4)のバッチャープラントというのは、コンクリートの原料(水とセメント、砂利、混和剤)を混ぜあわせる工場のことです。セメントはアルカリ分が高いですし、混和剤は薬剤なので有機物です。これらを含む排水は、やはり汚水処理する必要があります。

選択肢(5)は砂利を採取して水洗いするだけの施設です。何か処理をするわけでもなく洗うだけなので、取り立てて気にするほどの有害な排水も出ません。よって、これが汚水等排出施設ではない選択肢です。

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