H23年 大規模大気特論 問1 問題と解説

地上数十mまでの大気層の風速を表す以下の式に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. uは摩擦速度と呼ばれ、z=z0での風速を表す。
  2. z0は粗度長と呼ばれ、市街地などでは1m以上になる。
  3. kはカルマン定数と呼ばれる無次元の数である。
  4. 他の条件が変わらないとき、一定高度での風速が大きいほどuは大きい。
  5. この式の成り立つ層内では、風速は高度とともに増大する。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

摩擦速度uは、地表の抵抗の程度を表すもので、地表における摩擦応力を空気の密度で割り、その平方根をとったものです。よって、選択肢(1)が誤りなのですが、そのことを知らなくてもこの問題は解けます。

(1)の選択肢の文ではuがz=z0でのu(z)(風速)とありますが、z=z0のとき、(z/z0)=1となり、上式の対数部分が、loge1=0となります。ひいては、u(z)=0となります。

つまり、z=z0では、常にu(z)=0という定数になるので、これを変数(u)で表すというのはおかしいです。よって、選択肢(1)が誤りだとわかります。

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