H22年 水質有害物質特論 問7 問題と解説

下図はアルカリ塩素法-紺青処理によるシアン排水処理のフローである。(A)~(D)にあてはまるものとして、正しいものはどれか。

  (A)   (B)   (C)   (D)

  1. FeSO4・7H2O NaOH  H2SO4  NaOCl
  2. FeSO4・7H2O H2SO4  NaOH  NaOCl
  3. NaOCl    NaOH  H2SO4  FeSO4・7H2O
  4. NaOCl    H2SO4  NaOH  FeSO4・7H2O
  5. FeCl3    H2SO4  NaOH  NaOCl

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

アルカリ塩素法は有用なシアン排水の処理方法で、遊離シアンのほか、銅や亜鉛のシアノ錯体も処理可能です。しかし、鉄や金やニッケル、コバルトのシアノ錯体は処理できません(ニッケルは少し処理できますが、得意ではありません)。これらの処理には紺青法などほかの処理方法を選ぶ必要があります。

よって、上図では前段にアルカリ塩素法を、後段に紺青法を用いる段階的な処理を行っています。

アルカリ塩素法では、pH10以上で塩素剤を添加する一段反応と、pH7~8で塩素剤を添加する二段反応でシアンを分解します。塩素には通常、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)が用いられます。よって、図の一次分解と二次分解の両方の手前に入れているのがNaOClのはずなので、(A)にはこれが入ります。

また、一次分解の前にはpHを上げるため、(B)にはアルカリであるNaOHを入れます。二次分解の前には逆にpHを下げるため、(C)には酸であるH2SO4を入れます。

続いて紺青処理です。これは、2価の鉄塩を添加して難溶性塩を生成して、沈殿除去する方法なので、(D)にはFeSO4・7H2Oが入ります。

コメント