H22年 汚水処理特論 問8 問題と解説

金属イオンを含む排水の処理に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 金属イオンを含む排水に酸を加えると、水酸化物の沈殿を生じる。
  2. 金属の水酸化物の溶解度積は、pHによって変化する。
  3. 金属イオンの溶解度[Mn+]とpHとの間には、直線関係が成立する。
  4. Fe3+は、pHを9~10まで上げないと十分に除去されない。
  5. 亜鉛の水酸化物は、高いpHで再溶解するので注意が必要である。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

(1)について、多くの金属は酸に溶けるため、酸を加えても沈殿はできません。アルカリを加えたときに水酸化物の沈殿を生じます。

(2)について、溶解度積は温度によって決まる定数です。pHの影響は受けません。

(3)について、pHは水素イオン濃度を対数で表したものなので、溶解度[Mn+]も対数をとってlog[Mn+]とすれば、pHとの間に直線関係が成立することになります。

(4)で、Fe2+はpHを9~10まで上げないと十分に除去されませんが、Fe3+はpHを3~4程度で除去できます(下図参照)。

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