R2年 汚水処理特論 問11 問題と解説

 問 題     

BOD濃度400mg/L、流量200m3/日の排水A系と、BOD濃度160mg/L、流量500m3/日の排水B系とが合流し、沈殿池でSS性BODを自然沈降させたところBOD除去率は30%であった。

沈殿池の越流水を活性汚泥法で処理するとき、曝気(ばっき)槽でのBOD容積負荷(kg/(m3・日))を求めよ。なお曝気槽の容積は400m3とする。

  1. 0.28
  2. 0.32
  3. 0.37
  4. 0.40
  5. 0.42

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

BOD容積負荷は、次の式で表すことができます。これは重要事項として知っておきたい公式です。

よって、まずは流入BOD量を求めようと思いますが、今回の問題では、活性汚泥法の前に沈殿池で自然沈降を行っています。問われているのが「曝気槽での」BOD容積負荷なので、上式の流入BOD量は曝気槽に流入するBODであることに注意してください(沈殿池に流入するBODではありません)。

とはいえ、問題文では沈殿池に流入する水の数値が書かれているので、まずは「沈殿池への流入BOD量」について求めていきます。

問題文でA系、B系のBODと流量が与えられているので、それぞれの積を足し合わせると、合流排水の流入BOD量となります。ここでは、[mg/L]という単位をそのまま[g/m3]に変換して考えています。mgとgは1000倍、Lとm3も1000倍の関係なので、単位を変換しても数値は変わりません。

以上で「沈殿池への流入BOD量」がわかり、問題文より沈殿池でBOD除去率が30%とのことなので、残った70%が「曝気槽への流入BOD量」になることがわかります。つまり、以下のようになります。

これで最初の式の分子がわかりました。一方、分母の曝気槽容量は問題文で与えられているので、容積負荷は次のように計算できます。

よって、正解は(1)です。

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