R2年 公害総論 問14 問題と解説

 問 題     

ダイオキシン類問題に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. ダイオキシン類の排出量については、ダイオキシン類対策特別措置法に基づいて削減目標が定められている。
  2. ダイオキシン類の排出量の目録(排出インベントリー)によると、2017(平成29)年の排出量は、目標量を下回っており、目標を達成している。
  3. ダイオキシン類は、複数の異性体の混合物として環境中に存在するので、それぞれの異性体の質量を合計して、全体としての毒性を表す。
  4. POPs条約では、PCB等の物質の製造・使用・輸出入の原則禁止が求められている。
  5. POPs条約では、PCDDs等の非意図的生成物の排出の削減及び廃絶が求められている。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(3)の前半部分は正しい文章ですが、後半部分が誤っています。

ダイオキシン類は、複数の異性体の混合物として環境中に存在していて、それぞれ毒性が大きく異なります。そのため、単純に質量を合計するだけでは正しい毒性を見積もることができません。

そこで、ダイオキシン類の中で最も毒性が強い2,3,7,8-TeCDDを基準として、各異性体の毒性の強さを数値化しています(毒性等価係数)。そして、各異性体の濃度にその毒性等価係数を乗じて、足し合わせたものが毒性等量です。この毒性等量が、全体としての毒性を表す数値となります。

以上から、正解は(3)です。

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