H30年 水質有害物質特論 問11 問題と解説

次の測定対象物質の検定に用いられる前処理法及び分析法の組合せとして、誤っているものはどれか。

  (測定対象物質)     (前処理法)     (分析法)

  1. 1,4‒ジオキサン    活性炭抽出     GC‒MS
  2. ベンゼン       ヘッドスペース   GC
  3. トリクロロエチレン  溶媒抽出      GC
  4. チウラム       固相抽出      LC
  5. PCB         パージ・トラップ  GC‒MS

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

測定対象物質と分析法の組み合わせが出題されることはよくありますが、今回の場合、全ての選択肢でこれらの組み合わせは正しいです。つまり、誤りは前処理法の部分だけなので、やや難しい問題といえます。

とはいえ、ヘッドスペース法やパージ・トラップ法が用いられるのはベンゼンと各種の塩素化炭化水素であることを覚えていれば、PCBの前処理としてパージ・トラップ法を使うのは不適であると判断することができます。

(5)のPCBの前処理法は「溶媒抽出」とするのが正しいです。なお、くり返しになりますが、分析法は「GC-MS」で合っています。

コメント

  1. わい より:

    チラウムってこうそくえきくろだけちゃうのですか

    • (管理人) より:

      当サイトの解説でたびたび解説している「チウラムの検定法はHPLCのみ」に対するご意見かと思います。
      正直、そのご意見はごもっともだと思います…これは(4)を誤りの選択肢として選びたくなりますね。

      実際、過去14年間の出題において、本問以外では全て「チウラム-HPLC」の組合せで出題されています。
      また、チウラムの検定に関する根拠法令である「昭和46年12月28日環境庁告示第59号 付表5」にも、やはりHPLCの記載しかありません。

      あえて問題文の正当性を擁護するのであれば、問題文では分析法がLC(液体クロマトグラフィー)と記載されていますが、LCという用語は広義にはHPLCを含む液体クロマトグラフィー全般を指します。
      そのため、LCと記載されていてもHPLCを含むと解釈することができるかもしれません。

  2. わい より:

    新設ご丁寧な解説ありがとうございました!