H30年 大気特論 問13 問題と解説

JISの排ガス中の二酸化硫黄連続分析法における試料採取部(試料ガス連続採取方式)の主要な構成機器の配列例において、(ア)~(エ)の中に挿入すべき機器の組合せとして、正しいものはどれか。

採取管-一次フィルター-導管-( ア )-( イ )-( ウ )-( エ )-分析計

   ア       イ       ウ       エ

  1. 除湿器     二次フィルター 吸引ポンプ   流量計
  2. 流量計     除湿器     二次フィルター 吸引ポンプ
  3. 二次フィルター 流量計     吸引ポンプ   除湿器
  4. 二次フィルター 流量計     除湿器     吸引ポンプ
  5. 二次フィルター 除湿器     流量計     吸引ポンプ

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

「採取管」に入ってきたガスは最初、「一次フィルター」を通過してから、「導管」を経て「試料導入口」へと進みます。この問題ではこのあとの順序が問われているので、ここからの順番が大事です。

「試料導入口」からの試料ガスを、まず「除湿器」に送って水分を取り除き、次いで「二次フィルター」に通します。その後、「吸引ポンプ」でガスを引っ張って「流量計」に送り、そのガスを「分析計」に送って定量します。

以上の順番はぜひ覚えておいて欲しいですが、考えようによっては正確な知識がなくても解けます。

まず、「吸引ポンプ」の位置ですが、試料ガスが導入されたばかりの位置では、まだガスに勢いがあるはずです。計測器の奥のほうに進むにつれて勢いがなくなり、それを補うために吸引ポンプがあるので、これは後段のほうだと判断できます。

また、特に後段のほうでフィルターを通る際にガスの勢いが弱まるので、「二次フィルター」の直後に「吸引ポンプ」で勢いを取り戻すと考えることができます。よって、「二次フィルター」→「吸引ポンプ」の並びになっている(1)か(2)が正解であると推測されます。

続いて「二次フィルター」の位置に関して、一次フィルターと二次フィルターが連続していても仕方ないので、その間に何か工程を挟むのが普通です。(1)と(2)では間に「除湿器」がありますが、(3)~(5)だと一次フィルターと二次フィルターの間に「導管」しかないことになります。導管はただの通り道で、何か処理をしているわけではないので、(3)~(5)の順序はこの観点からも不適であると判断できます。

残る(1)と(2)の大きな違いは「流量計」の位置です。二酸化硫黄を測定する際には測定誤差につながる水分の除去が不可欠なので「除湿器」を設置していますが、除湿する前に流量計で流量を測ってしまうと、除湿後にはきっと値が変わってしまいます。そのため、流量を測定するのは二酸化硫黄分析を行う直前にするのが望ましいです。よって、(2)が誤りで、(1)が正解となります。

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