H30年 公害総論 問8 問題と解説

排出基準が定められていない大気汚染物質はどれか。

  1. ばいじん
  2. ふっ化水素
  3. ニッケル
  4. 揮発性有機化合物
  5. 水銀

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

「大気汚染防止法」第3条(排出基準)では、ばい煙発生施設において発生するばい煙の排出基準を以下の4種類に分けて定めています。

  • いおう酸化物
  • ばいじん
  • 有害物質
  • 特定有害物質

…というのは重要事項なのですが、これだけでは(1)しか除外できません。よって、残る選択肢が大気汚染物質として重大かどうかを考えていくことになります。

(2)のふっ化水素は低分子で気体です。(4)の揮発性有機化合物も名前の通り、容易に揮発(ガス化)します。よって、深刻な大気汚染物質になりやすいので、これらには排出基準が定められています。

(5)の水銀は、2018年に新たに排出基準が設けられました。これは「水銀に関する水俣条約」が発効されたことに伴う大気汚染防止法の改正によるものです。水銀は日本だけでなく国際的に注目される大気汚染物質となったので、今後は水銀に関する出題が増えるかもしれません。

よって、残る(3)のニッケルが正解となります。ただし、ニッケルは排出基準が定められていないだけで、これも大気汚染物質には変わりありません。そのため、この問題はやや難しい部類だと思います。

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