H30年 公害総論 問15 問題と解説

環境影響評価法に基づく環境アセスメントの手続を必ず実施する事業(第1種事業)として、誤っているものはどれか。

  1. 一般国道(4車線以上)
  2. ダム、堰(せき)(湛水面積100ha以上)
  3. 飛行場(滑走路長2500m以上)
  4. 新幹線鉄道(すべて)
  5. 火力発電所(出力15万kW以上)

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

環境アセスメントの実施が求められ得る事業は全部で13事業あります。

このうち、環境アセスメントを必ず実施しなければならない事業のことを第1種事業といい、これらはいかにも環境影響が心配されそうな大規模な事業が該当します。

まず、対象の13事業は以下の通りです。

  1. 道路
  2. 河川
  3. 鉄道
  4. 飛行場
  5. 発電所
  6. 廃棄物最終処分場
  7. 埋立て、干拓
  8. 土地区画整理事業
  9. 新住宅市街地開発事業
  10. 工業団地造成事業
  11. 新都市基盤整備事業
  12. 流通業務団地造成事業
  13. 宅地の造成の事業

上記の中でとりあえず押さえておいたほうが良いのは1.~6.で、7.以降は気にしなくていいかもしれません。

このうち、選択肢(1)は上記1.の「道路」に該当します。ただし、道路といっても条件によって第1種に該当したり該当しなかったりします。第1種となる条件は以下の通りです(重要事項のみ抜粋)。

  • 高速自動車国道:全て
  • 首都高速道路 :4車線以上
  • 一般国道   :4車線以上・10km以上

ここで選択肢(1)を見ると、「一般国道(4車線以上)」となっていて距離が書かれていません。これだと第1種に該当するとは言い切れず、これが誤っているもの(正解の選択肢)となります。

選択肢(2)は上記2.の「河川」に該当し、湛水面積100ha以上のダム、堰は第1種です。土地改変面積100ha以上の放水路、湖沼開発についても第1種になるので、100haというのがポイントになります。

選択肢(3)は上記4.の「飛行場」になりますが、( )に書かれている通り、滑走路の長さが2500m以上なら第1種に該当します。

選択肢(4)は上記3.の「鉄道」に該当し、新幹線は無条件で第1種です。普通の鉄道は、その距離が10km以上になると第1種となります。

選択肢(5)は上記5.の「発電所」ですが、原子力発電所なら全て第1種です。火力発電所、水力発電所、地熱発電所については規模に応じて第1種と第2種とに分かれますが、火力発電所については問題文に書かれている通り、出力15万kW以上で第1種となります。

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