H28年 大気特論 問1 問題と解説

各種液体燃料の性状に関係する値の大小の比較として、誤っているものはどれか。

  1. ガソリンの密度 < 軽油の密度
  2. 軽油の沸点範囲の上限 < 灯油の沸点範囲の上限
  3. JIS 2号ガソリンのオクタン価 < JIS 1号ガソリンのオクタン価
  4. JIS 1種重油の動粘度 < JIS 3種重油の動粘度
  5. 軽油の硫黄分(質量%) < 重油の硫黄分(質量%)

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

(1)と(2)について、原油は分留すると、ガソリン、灯油、軽油、重油などに分けられます。また、密度と沸点はともにガソリン<灯油<軽油<重油となります。よって、(1)は正しいですが、(2)の不等号は反対です。

(3)について、液体燃料で1号、2号、3号などと区別されている場合は、1号のほうが品質が良いと考えてください(ちなみに、ガソリンについてはオクタン価の大小によって、1号と2号の2種類で分類されます)。

ガソリンスタンドで「ハイオク」のガソリンが少し高めで売られていることからもわかる通り、オクタン価は高いほうが品質の良いガソリンであるので、JIS 1号ガソリンのほうが2号よりもオクタン価が高いです。

(4)について、重油には1種、2種、3種があります。A重油、B重油、C重油と呼ぶこともありますが、これらはそれぞれ1種、2種、3種のことを指します(たとえば平成25年度の試験では、A重油のほうの呼び方を使っています)。

重油の分類基準は動粘度です。動粘度が20[mm2/S]以下なら1種となります。それを超えて50[mm2/S]以下なら2種で、さらにそれも超えると3種となります。よって、1種よりも3種のほうが動粘度は大きいです。

(5)について、軽油中の硫黄分は排ガス対策を目的に順次低減され、今は0.0010質量%以下と決められています。この値(0.0010%)が問われることもあるので、ぜひ覚えておきたい知識です。

一方、重油は区分によって硫黄分に違いがありますが、どれも軽油に比べるとずっと多くの硫黄が含まれています。

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