H27年 公害総論 問10 問題と解説

環境省の平成24年度地下水質測定結果(概況調査)に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 調査対象井戸のうち、環境基準を超過する項目がみられた井戸は1%以下であった。
  2. 1,4‒ジオキサン及び塩化ビニルモノマーには、地下水の環境基準が定められていない。
  3. トリクロロエチレンは、依然として2%以上の環境基準超過率があり、汚染が改善されていない。
  4. 環境基準超過率が最も高いのは、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素である。
  5. ひ素は、環境基準超過率が1%以下に低下し、汚染が大幅に改善されている。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

この問題は消去法でも良いのですが、(1)がややマニアックな知識になるため、できれば直接(4)を選びたいところです。

(1)について、調査対象井戸3655本のうち224本で超過しているため、その比率は6.1%となります。

(2)で、1,4‒ジオキサンとクロロエチレン(塩化ビニルモノマー)はいずれも、平成21年度から環境基準が設定された物質です。

(3)について、最近は0.0%~0.1%を推移しているため、かなり改善されたといえます。

(4)で、地下水質の環境基準超過率は、例年「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」が最も高く、次いで「ひ素」がきます。よって、これが正しい記述です。

ただし、R3実績では「ひ素」と「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」の順位が逆転したため、試験前にはこちらのページで最新の数値を確認しておいてください。

(5)について、(4)の解説の通り、ひ素は基準値超過率が高い代表的なものといえるので、まだ大幅な改善には至りません。

以上から、正解は(4)となります。

なお、環境基準の達成率に関する最新の数値はこちらのページにまとめてあります。

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