H26年 水質有害物質特論 問3 問題と解説

カドミウム及び鉛の排水に関する記述として、誤っているものはどれか。

1. カドミウムイオンは、アンモニアやシアン化物イオンと安定した錯体を形成する。
2. 鉛化合物中の鉛は2価又は4価として存在するが、2価のほうが安定であり、排水中では2価イオンとして存在する。
3. 鉛排水を水酸化物法で処理する場合、最適pHは11以上である。
4. カドミウム排水を硫化物法で処理する場合、鉄塩を添加すると効果が上がる。
5. EDTAなどのキレート剤を含む鉛排水は、Fe+Ca塩法を用いて、キレート剤で封鎖されている鉛をカルシウムにより置換して処理すると効果的である。

　解 説　　　　

鉛は両性金属なので、酸性条件で溶けるのはもちろんのこと、アルカリ性条件でも水に溶けます。つまり、pH11だと再溶解してしまうので処理できません。

鉛の場合はpH7くらいまでは陽イオン(Pb²⁺)として水に溶けていて、pH9くらいからは陰イオン(HPbO₂^–)として再溶解するため、その間のpH8あたりが水に溶けにくい最適pHといえます。