H24年 水質有害物質特論 問4 問題と解説

下図はクロム(Ⅵ)排水の還元処理フローの一例である。注入する薬液(ア)、(イ)、(ウ)の組合せとして、最適なものはどれか。

  (ア)   (イ)    (ウ)

  1. H2SO4  NaHSO3  NaOH
  2. H2SO4  NaOCl   NaOH
  3. NaOH  NaHSO3  H2SO4
  4. NaOH  NaOCl   H2SO4
  5. NaOH  FeCl3   H2SO4

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

クロム(Ⅵ)の処理の流れは以下の通りです。

まずクロム(Ⅵ)をクロム(Ⅲ)に還元します。これは、のちに凝集・沈殿をしやすくするためです。ここで、クロム(Ⅵ)をクロム(Ⅲ)に還元するためには酸性下で還元剤と反応させる必要があります。

つまり、還元槽(図中の最も左側)では、まず(ア)のところで酸性にするための酸を加え、次に(イ)のところで還元剤を注入します。

(ア)は選択肢が硫酸(酸)か水酸化ナトリウム(塩基)かなので、これは硫酸が正解です。(イ)は選択肢が亜硫酸水素ナトリウム(還元剤)か次亜塩素酸ナトリウム(酸化剤)か塩化鉄(Ⅲ)(酸化剤)なので、亜硫酸水素ナトリウムが正解です。

ここまででクロム(Ⅵ)はクロム(Ⅲ)になったのですが、今のところ液性が酸に傾いているため、ここで中和します。それが図の2番目の槽(中和槽)です。

(ウ)の選択肢は水酸化ナトリウム(塩基)か硫酸(酸)なので、酸性状態を中性にするために水酸化ナトリウムを加えます。

そして、中性状態で図の3番目の槽(凝集槽)にて凝集剤を加えフロック(塊)を作り、最後の沈殿槽にて沈殿分離します。

以上から、正解は(1)です。

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