閉鎖性海域で出現する貧酸素水塊に関する記述として、正しいものはどれか。
- 海域での飽和酸素量は水温、栄養塩濃度で決定される。
- 海域で溶存酸素が消費される過程としては、植物プランクトンによる光合成がある。
- 貧酸素水塊が形成され、さらに酸素が枯渇すると、硫酸還元によって硫化水素が発生する。
- 生態系モデルでは、溶存酸素の動態を解析することができない。
- 伊勢湾での貧酸素水塊の形成は局地的なもので、全湾スケールで起こることはない。
正解 (3)
解 説
(1)で、栄養塩というのは、さまざまな塩類のうち、生物が生きるために必要な塩類のことを指します。確かに飽和酸素量は塩類の濃度に影響されるのですが、これは生き物の話ではないので、栄養塩かどうかは関係がありません。つまり、飽和酸素量を求めるために必要なのは、「水温」と「塩分」となります。
(2)で、光合成は二酸化炭素を使って酸素を生み出す反応です。一方、呼吸は酸素を使って二酸化炭素を生み出す反応です。つまり、(2)は「消費」を「生成」などの意味の言葉に変えるか、あるいは、「光合成」を「呼吸」に変えると正しい記述になります。
(4)において、生態系モデルで溶存酸素の動態を解析することは可能です。(2)のような内容がまさに、生態系モデルを使った溶存酸素の動態の解析に繋がります。
(5)は知識問題ですが、これは過去に全湾スケールで起こることがたまにあります(最近ではあまりありませんが、過去にはたびたびありました)。
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