検定項目と試料の保存方法の組合せとして、誤っているものはどれか。
(検定項目) (保存方法)
- ひ素 前処理を要しない場合はHClでpH約1、前処理を行う場合はHNO3でpH約1
- シアン化合物 NaOHでpH約12(残留塩素を含むときはアスコルビン酸で還元した後、NaOH添加)
- クロム(Ⅵ) H2SO4でpH約1
- 有機りん化合物 HClで弱酸性
- 塩素化炭化水素 4℃以下(凍結させない)の暗所
正解 (3)
解 説
クロム(Ⅵ)の保存条件は、そのままの状態で0~10℃の暗所にて保存です。
カドミウムや水銀、クロムなど多くの金属は硝酸(硫酸ではなく硝酸です)を加えてpHを1にして保存しますが、ここでいう「クロム」とは「全クロム」のことです。
というのも、試料中にクロム(Ⅲ)を含んでいる場合、硝酸によってクロム(Ⅵ)に酸化されるため、硝酸を入れた時点でもとのクロムの価数は関係なくなってしまいます。そのため、クロム(Ⅵ)のみについて知りたいときは、酸の類を添加してはいけません。
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