H23年 汚水処理特論 問22 問題と解説

ICP発光分光分析法又はICP質量分析法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. いずれの方法も、多元素を一斉に分析することが可能である。
  2. いずれの方法も、検量線の直線領域(ダイナミックレンジ)が広い。
  3. ICP発光分光分析法では、基底状態の原子から発せられる光を測定する。
  4. ICP質量分析法では、ICP中で生成したイオンを質量分析計に導き、イオンの強度を測定する。
  5. ICP質量分析法は、ほとんどの元素に対してICP発光分光分析法より優れた検出限界を有する。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

「基底状態の原子」ではなく、「励起状態の原子」です。

基底状態というのは安定な状態のため、放っておいても特に何も変化せずにそのままです。一方で励起状態は不安定な状態のため、勝手に安定な基底状態へと移行しようとします。

励起状態のほうが基底状態よりもエネルギーを多く持っているので、その差分を放出して基底状態へ移行しますが、そのときに放出したエネルギーが、(3)に書かれている「原子から発せられる光」の正体です。

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