問 題
JISによる排ガス中ダスト試料の採取に関する記述中、ア、イの( )の中に挿入すべきろ紙の種類の組合せとして、正しいものはどれか。
JISでは、「排ガス中に硫酸ミストなどを含み、測定値に影響を及ぼすおそれがある場合は、これらとの反応を起こさない( ア )、又は硫酸で処理した( イ )を用い、試料を採取したろ紙は250℃程度で約2時間加熱し、デシケーター中で室温まで冷却した後、ひょう量する。」とされている。
- ア イ
- ふっ素樹脂ろ紙 シリカ繊維ろ紙
- ふっ素樹脂ろ紙 メンブレンろ紙
- ふっ素樹脂ろ紙 ガラス繊維ろ紙
- メンブレンろ紙 ガラス繊維ろ紙
- メンブレンろ紙 シリカ繊維ろ紙
正解 (1)
解 説
ろ紙(ろ過材)には主に以下の4種があり、それらの耐熱温度と特徴はそれぞれ次に示す通りとなっています。
- メンブレンろ紙:耐熱温度110℃以下。孔径が一定で小さく、捕集率が高い。
- ふっ素樹脂ろ紙:耐熱温度250℃以下。ガスの吸着性は極めて小さいが、ろ過抵抗は大きい。
- ガラス繊維ろ紙:耐熱温度500℃以下。SOxとの反応性が大きく、SOx存在下での誤差が大きい。
- シリカ繊維ろ紙:耐熱温度1000℃以下。ガスの吸着性は小さいが、強度的に弱い。
上記を踏まえて問題文を読むと、( ア )の直前には「これらとの反応を起こさない」とあるので、これはガスの吸着性は極めて小さい「ふっ素樹脂ろ紙」が当てはまると判断できます。
また、( イ )については、問題文の初めのほうにある「硫酸ミストなどを含み」と、後半にある「250℃程度」がヒントになります。
つまり、硫酸ミストがあるためにSOxと反応してしまう「ガラス繊維ろ紙」は使えず、また、耐熱温度が110℃以下の「メンブレンろ紙」も不適切です。よって、( イ )には消去法で「シリカ繊維ろ紙」が入ると考えられます。
以上から、( ア )には「ふっ素樹脂ろ紙」が、( イ )には「シリカ繊維ろ紙」が入るので、正解は(1)です。
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