R4年 大規模大気特論 問3 問題と解説

 問 題     

水平方向の煙の拡散幅に関する記述中、ア~ウの(  )の中に挿入すべき語句の組合せとして、正しいものはどれか。

風向の時間変化や( ア )は水平方向の煙の拡散幅を増大させ、その拡散幅は( イ )とともに大きくなる。これらは時間スケールの大きな乱流の一種であるが、総観的な気圧配置や風上の( ウ )に起因する場合がある。

  •   ア      イ       ウ
  1. 風速の乱れ  平均化時間  海面や湖面の存在
  2. 風速の乱れ  変動周期   雷雨などの局地現象
  3. 気流の波動  気温の低下  山岳などの地形
  4. 気流の蛇行  平均化時間  山岳などの地形
  5. 気流の蛇行  気温の低下  海面や湖面の存在

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

( ア )の直後には「水平方向の煙の拡散幅を増大」とあります。よって、( ア )には煙が水平方向に広がる要因が入ります。

選択肢にある「風速の乱れ」と「気流の波動」は、煙が流れる軸方向の速さ(距離)に影響を与えますが、これらの大小で拡散幅が変わるわけではありません。一方、「気流の蛇行」が激しいとそれだけ軸方向から外れることになり、拡散幅が大きくなります。

よって、( ア )には「気流の蛇行」を入れるのが適切だと判断できます。

( イ )に関して、煙の拡散は時間とともに段々と広がっていくものなので、平均化時間が短いと拡散幅は小さく、平均化時間が長いと拡散幅は大きくなります。よって、水平方向の拡散幅は平均化時間とともに増大するので、( イ )には「平均化時間」が入ります。

( ウ )について、風上にあると煙がまっすぐ進まずに蛇行するような要素を選べばよいので、選択肢の中では「山岳などの地形」が適切だと判断できます。

「海面や湖面の存在」は平面なので、これが風上にあっても煙が蛇行する要因にはなりません。また、「雷雨などの局地現象」については、雨で煙が落とされることはあっても、煙の拡散が促進されることはありません。よって、これらは不適です。

以上から、( ア )は「気流の蛇行」、( イ )は「平均化時間」、( ウ )は「山岳などの地形」となるので、正解は(4)です。

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