問 題
海洋生態系モデルにおける植物プランクトンの増殖速度の計算において、栄養塩の窒素及びりんによる制限をそれぞれNLIM及びPLIMとしたとき、下記のミハエリスーメンテンの式でそれぞれを計算できるものとする。
最大可能比増殖速度をGmaxとし、光の制限項が0.8、N=2mg/L、KN=2mg/L、P=0.6mg/L、KP=0.2mg/Lのとき、植物プランクトンの比増殖速度Gの計算式として、適切なものはどれか。
ただし、栄養塩の制限はリービッヒの最小律に従い、けい酸の制限は無視できるものとする。
- G=Gmax×0.2
- G=Gmax×0.4
- G=Gmax×0.5
- G=Gmax×0.6
- G=Gmax×0.8
正解 (2)
解 説
植物プランクトンの比増殖速度は、最大可能増殖速度(ポテンシャル増殖速度)、光の制限項(LTLIM)、栄養塩制限項の積として計算されます。
上式において、最大可能増殖速度は問題文でGmaxと表され、光の制限項は0.8と与えられています。
残る栄養塩制限項は、窒素による制限NLIMとりんによる制限PLIMのうち、小さいほうの値となります。光合成には窒素もりんも必要ですが、どちらか一方だけ過剰にあっても他方の余剰分の使い道がないため、窒素とりんのうち少ないほうに合わせた光合成しか行なえないということです。
本問で窒素とりんのどちらが栄養塩制限項になるかについては、NLIMとPLIMをそれぞれ計算してみればわかります。問題文で式と各数値が与えられているため、これらを用いて計算すると次のようになります。
よって、今回は、栄養塩制限項はNLIM=0.5となります。
以上から、(最大可能増殖速度)=Gmax、(光の制限項)=0.8、(栄養塩制限項)=0.5となるので、(1)式は次のように表すことができます。
よって、正解は(2)です。
コメント