問 題
重力集じんにおける粒子の移動速度を表す式として、正しいものはどれか。
なお、Cmはカニンガムの補正係数(-)、ρpは粒子密度(kg/m3)、dpは粒子径(m)、gは重力加速度(m/s2)、μはガスの粘度(Pa・s)である。
正解 (4)
解 説
重力集じんにおける粒子の移動速度vを表す式は、以下の通りです。
- v:重力集じんにおける粒子の移動速度 [m/s]
- Cm:カニンガムの補正係数 (単位なし)
- ρp:粒子密度 [kg/m3]
- dp:粒子径 [m]
- g:重力加速度 [m/s2]
- μ:ガスの粘度 [Pa・s]
よって、正解は(4)となります。
ただし、この式は出題頻度から見るとマイナーな公式であるため、覚えていなくても仕方がないと思います。その場合には、問題文で与えられている各パラメータの単位からアプローチするのが妥当です。
問われているのは粒子の移動速度なので、その単位は[m/s]です。また、選択肢を見ると、全ての選択肢で共通しているパラメータがあるので、まずはそこだけ抜き出して、次のように単位を整理します。
ここで、圧力の単位[Pa]をSI基本単位に直すと次のようになります。
続いて、(3)式を(2)式に代入して、さらに整理します。
最終的には速度の単位である[m/s]にすればよいので、(4)式の分子に[m]が加われば正しい式となりそうです。
問題文のパラメータの中にある粒子径dpの単位がちょうど[m]なので、全選択肢で共通となる(2)式の最初の式の分子にdpを掛けたもの(つまり、解説冒頭の(1)式)が正解であると判断することができます。
以上から、正解は(4)です。
ちなみに、本問で問われている「重力集じんにおける粒子の移動速度」の式はマイナーでも、「電気集じん装置内で、クーロン力とガスの粘性力が釣り合う際の粒子の移動速度」の式は頻出です。こちらの式を覚えていない場合は、H29年 ばいじん・粉じん特論 問4を確認しておいてください。
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