問 題
2018(平成30)年度において、一般環境大気測定局と自動車排出ガス測定局での環境基準達成率が等しく、年平均値は自動車排出ガス測定局のほうが高い大気汚染物質はどれか。
- 二酸化硫黄
- 一酸化炭素
- 二酸化窒素
- 浮遊粒子状物質
- 微小粒子状物質
解 説
環境基準の達成率に関する問題は頻出であるため、本問を2018年度の達成率に関する知識問題として解いてもよいと思います。しかし、今回は出題の仕方が例年とは異なっているので、このような問題に慣れるため、ここでは別のアプローチから解説します。
本問では、以下の2つの条件を満たすことが求められています。
- 一般環境大気測定局(一般局)と自動車排出ガス測定局(自排局)での環境基準達成率が等しい
- 年平均値は自動車排出ガス測定局のほうが高い(自排局)
まず条件2のほうから考えると、一般局と自排局では状況的に自排局のほうが空気が汚れやすいといえます。よって、選択肢(1)~(5)のどれをとっても、自排局の値は一般局と同等かそれよりも高い値となります。
つまり、条件2はあまり有力な情報とならないので、条件1でしっかり検討する必要があります。
条件1について、一般局と自排局の達成率がたとえば77.7%で一致するということは確率的にほとんどありません。あるとしたら、両方とも0%または両方とも100%という状況のほうが自然だと思います。
ここで、選択肢の各物質の環境基準達成率について、例年の傾向は次に示す通りです。2018年度に限らずこのような傾向が続いているため、これは重要事項として覚えておいてください。
- 二酸化硫黄 :自排局では100%
- 一酸化炭素 :一般局・自排局ともに100%
- 二酸化窒素 :一般局では100%
- 浮遊粒子状物質:年度によってバラバラ
- 微小粒子状物質:年度によってバラバラ
よって、選択肢(1)~(5)の中で正解は1つしかないので、自信を持って条件1に当てはまると判断できるのは、(2)の一酸化炭素です。
以上から、正解は(2)となります。
解説の冒頭で触れたように、本問を2018年度の達成率に関する知識問題として解いても全く問題ありません。この方法で次の試験に備えるのであれば、最新の環境基準達成率の数値をこちらのページにまとめてあるので、試験前に参照しておくとよいと思います。
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