R3年 水質概論 問8 問題と解説

 問 題     

富栄養化した湖沼の水質に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 光合成によって二酸化炭素が消費されると、pHは低下する。
  2. 表層に近い好気的な環境の下では、植物プランクトンの死骸などは微生物によって分解・無機化していく。
  3. 水域が成層すると、表層から酸素が深層に供給されにくくなる。
  4. 貧酸素化した底質で行われる嫌気分解は、好気分解に比べ効率が悪いので、完全に無機化されない懸濁(けんだく)態有機物が蓄積されやすい。
  5. 底質が長期にわたり貧酸素状態となると、鉄やマンガンのイオン態の溶出、脱窒による窒素ガスの発生などが起こりやすくなる。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

(1)に関して、二酸化炭素(CO2)は水(H2O)に溶けると炭酸(H2CO3)になるので、酸性です。一方、酸素(O2)はほとんど水に溶けないので、pHに影響を与えません。そのため、光合成によって二酸化炭素が酸素に変わると、酸性の分が減るのでpHは少し上昇します。

よって、(1)の記述が誤りなので、これが正解となります。

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