電験三種 R4年度上期 法規 問6 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気設備技術基準」における無線設備への障害の防止に関する記述である。

電気使用場所に施設する電気機械器具又は( ア )は、( イ )、高周波電流等が発生することにより、無線設備の機能に( ウ )かつ重大な障害を及ぼすおそれがないように施設しなければならない。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  •  ア     イ    ウ
  1. 接触電線  高調波  継続的
  2. 屋内配線  電波   一時的
  3. 接触電線  高調波  一時的
  4. 屋内配線  高調波  継続的
  5. 接触電線  電波   継続的

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

本問は、「電気設備技術基準」第67条(電気機械器具又は接触電線による無線設備への障害の防止)からの出題です。しかし、マイナーな条文なので、選択肢の語句を当てはめながら検証するのが妥当な解き方だと思います。

最も簡単に判断できるのは、おそらく( ウ )です。本文に「( ウ )かつ重大な障害」とあることから、「重大」と並ぶにふさわしい語句が正しいので、選択肢の中では「継続的」のほうが適切であると判断できます。

続いて( イ )について考えます。電気機械器具から発生する( イ )と高周波電流が無線機能に障害を及ぼす…という話ですが、つまりこれは電波障害のことなので、( イ )には「電波」を入れるのが適切です。

蛇足ですが、電波障害の種類には以下の1~4のようなものが挙げられます。

  1. 電気機械器具や電線路などから直接発生する電波による障害
  2. 電気機械器具の使用電流に高周波分が含まれるために、これが電路に伝わり、その電路に接続される無線設備に影響を及ぼすことによる障害
  3. 電気機械器具から電路に伝わった高周波分によって、さらに電路から発生する電波による障害
  4. 接地点からの伝導

以上から残る選択肢は(5)だけなので、この時点で一応答えは出せます。ここでは念のため、残る( ア )についても考えていきます。

( ア )の選択肢には「接触電線」と「屋内配線」があります。どちらを入れても意味が通りそうですが、電波や高周波電流が発生しやすく無線に影響を与える確率が高そうなほうが該当するはずです。そう考えると、走行クレーンや電車線に使われる「接触電線」が適切であるとわかります。

以上から、( ア )には「接触電線」が、( イ )には「電波」が、( ウ )には「継続的」が入るので、正解は(5)となります。

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