電験三種 R4年度上期 法規 問5 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく電線路の接近状態に関する記述である。

a) 第1次接近状態とは、架空電線が他の工作物と接近する場合において、当該架空電線が他の工作物の( ア )において、水平距離で( イ )以上、かつ、架空電線路の支持物の地表上の高さに相当する距離以内に施設されることにより、架空電線路の電線の( ウ )、支持物の( エ )等の際に、当該電線が他の工作物に( オ )おそれがある状態をいう。

b) 第2次接近状態とは、架空電線が他の工作物と接近する場合において、当該架空電線が他の工作物の( ア )において水平距離で( イ )未満に施設される状態をいう。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  •     ア      イ   ウ   エ    オ
  1. 上方、下方又は側方  3m  振動  傾斜  損害を与える
  2. 上方又は側方     3m  切断  倒壊  接触する
  3. 上方又は側方     3m  切断  傾斜  接触する
  4. 上方、下方又は側方  2m  切断  倒壊  接触する
  5. 上方、下方又は側方  2m  振動  傾斜  損害を与える

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

本問は、「電気設備の技術基準の解釈」第49条(電線路に係る用語の定義)第9号・10号からの出題です。この条文は以下の通りとなっています。

9 第1次接近状態 架空電線が、他の工作物と接近する場合において、当該架空電線が他の工作物の上方又は側方において、水平距離で3m以上、かつ、架空電線路の支持物の地表上の高さに相当する距離以内に施設されることにより、架空電線路の電線の切断、支持物の倒壊等の際に、当該電線が他の工作物に接触するおそれがある状態

10 第2次接近状態 架空電線が他の工作物と接近する場合において、当該架空電線が他の工作物の上方又は側方において水平距離で3m未満に施設される状態

これを図示すると下図のようになります。

( ウ )や( エ )の選択肢には「振動」や「傾斜」という言葉もありますが、電線の切断や支持物の倒壊といった、よりリスクの高い事象が起こっても安全な範囲について計算に入れるのが接近状態の考え方です。

また、接近状態というからには接触するかどうかがポイントなので、( オ )の「損害を与える」も不適切だと判断できます。

以上から、( ア )は「上方又は側方」、( イ )は「3m」、( ウ )は「切断」、( エ )は「倒壊」、( オ )は「接触する」となるので、正解は(2)です。

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