電験三種 R3年 機械 問2 問題と解説

 問 題     

ある直流分巻電動機を端子電圧220V、電機子電流100Aで運転したときの出力が18.5kWであった。

この電動機の端子電圧と界磁抵抗とを調節して、端子電圧200V、電機子電流110A、回転速度720min-1で運転する。このときの電動機の発生トルクの値[N・m]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、ブラシの接触による電圧降下及び電機子反作用は無視でき、電機子抵抗の値は上記の二つの運転において等しく、一定であるものとする。

  1. 212
  2. 236
  3. 245
  4. 260
  5. 270

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

分巻電動機は、界磁回路と電機子回路とが並列に接続されています。等価回路を描くと以下のような感じです。

上図において、問題文の1文目の条件(端子電圧V=220[V]、電機子電流Ia=100[A]、出力P=18500[W])を当てはめると、下図のようになります。

よって、電機子電流Iaと出力Pから逆起電力E[V]を計算することができ、さらに端子電圧Vを使うと電機子抵抗Raを求めることができます。

これで電機子抵抗Raの値がわかったので、続いて問題文の2文目以降の条件について考えます。ここでは端子電圧V’=200[V]、電機子電流Ia‘=110[A]なので、逆起電力E'[V]と出力P'[W]は以下のようになります。

求めたいのはトルクの値T[N・m]ですが、出力P’と電機子の回転速度n [min-1]から、トルクTは次のように計算できます。出力とトルクを結ぶ下式は、公式として押さえておくべき知識です。

よって、正解は(2)となります。

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