電験三種 R1年 理論 問4 問題と解説

 問 題     

図のように、磁路の長さl=0.2m、断面積S=1×10-4m2の環状鉄心に巻数N=8000の銅線を巻いたコイルがある。このコイルに直流電流I=0.1Aを流したとき、鉄心中の磁束密度はB=1.28Tであった。

このときの鉄心の透磁率μの値[H/m]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、コイルによって作られる磁束は、鉄心中を一様に通り、鉄心の外部に漏れないものとする。

  1. 1.6×10-4
  2. 2.0×10-4
  3. 2.4×10-4
  4. 2.8×10-4
  5. 3.2×10-4

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

問われているのは鉄心の透磁率μ[H/m]ですが、これは磁束密度B[T]と磁界の強さH[A/m]とを結ぶ式の比例定数です。

ここで、Bの値についてはすでに問題文で与えられているため、Hの値を求めて上式に代入すればμの値を計算することができます。

環状コイルを流れる電流がつくる磁界Hは、以下の式で表されます。

  • H:磁界[A/m]
  • N:巻き数
  • I:電流[A]
  • r:環状コイルの半径[m]

上式は公式として覚えておきたい内容ですが、今回の問題では、分母の2πrがそのまま磁路の長さlとして与えられています。よって、次のように計算することができます。

これを最初に示したB=μHに代入すれば、μの値が得られます。

以上から、正解は(5)となります。

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