電界

前項は、電荷を帯びた2つの物体があると、その間には静電気力が働くという話でした。そして、その静電気力が働く空間のことを「電界(電場)」といいます。電界の強さは数値化でき、その式は以下のように表すことができます。

  • E:電界 [V/m]
  • ε0:真空の誘電率 8.854×10-12 [F/m]
  • Q:電荷 [C]
  • r:電荷間の距離 [m]

この式は、前項で扱った静電気力の式に似ています。

(参考:静電気力の式)

具体的には、2つの点電荷の一方を単位電荷(つまり1[C])としたときの静電気力が、この「電界」と等しくなります。よって、次の式が成り立ちます。

これは、電界E[V/m]の空間に、q[C]の電荷を置いたときの静電気力F[N]を求める式となります。

また、電界というのは目に見えなくてわかりづらいので、以下の図のように可視化することがあります。

この図は、中央にあるQ[C]の電荷から放射状に電気力線が出ている様子を表しています。電気力線は無数に放射されていますが数えきれないので、1[C]分の電気力線のまとまりを「電束」と呼んでいます。1[C]の電荷からは1束の電束が放射される、というイメージです。

電界の強さを可視化するためにこの図を描いたのですが、どうやって判断するのかといえば、その密度に注目してください。上図において、電束(電気力線)の密度の濃いところは電界が強く、密度が薄いところは電界が弱いことになります。

たとえば上図では、赤色の円(実際には平面的な円ではなくて立体的な球です)で示したところのほうが、青色の円で示した部分よりも電束の密度が濃くなっています。赤色部分も青色部分も電束の数は変わりませんが、密度が濃ければ強い電界であるということになります。

つまり、電束そのものよりも電束の密度のほうが大事です。これを「電束密度」といい、次の式で表すことができます。

  • D:電束密度 [C/m2]

単位を見てもわかる通り、電束密度というのは1[m2]あたりの電束の数です。電束はある点電荷から放射状に伸びるため、点電荷からr[m]離れた位置の密度を求めるためには、電束を球の表面積4πr2[m2]で割ることで求められます。

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