クーロンの法則(静電気)

ある物体がそこに置いてあるとき、それは普通は電気を帯びていません。しかし、そこに別の物体を一度くっつけてみると、その摩擦によって電荷の一部が一方から他方へと移動し、双方の物体が電気を帯びる(帯電する)ことになります。その後、2つの物体を離しても一方はプラスに帯電したままで、他方はマイナスに帯電したままです。

このときに帯電している電気を「静電気」と呼びます。また、静電気には上記のようにプラスとマイナスがありますが、それぞれ、正電荷・負電荷といいます。電荷の量はQ[C]と表されることが多いですが、Qは「quantity of electric charge」の略で、単位のCはクーロンと呼びます。

正電荷と正電荷をくっつけようとすると反発し、負電荷と負電荷をくっつけようとしても反発します。このような力を斥力(せきりょく)といいます。一方、正電荷と負電荷はお互いにくっつこうとする性質があり、このような力は引力といいます。斥力と引力をまとめて「静電気力」と呼びます。

どれも「力」とある通り、その単位は[N](ニュートン)です。2つの点電荷(大きさを持たない電荷)の間にはたらく静電気力は以下の式で示されます。

  • F:静電気力 [N]
  • ε0:真空の誘電率 8.854×10-12 [F/m]
  • Q:電荷 [C]
  • r:電荷間の距離 [m]

また、この式の一部を計算すると以下のように書き換えられます。

この式をみるとわかりますが、静電気力はそれぞれの電荷の量Q[C]に比例し、2つの点電荷の距離r[m]の2乗に反比例します。また、力がはたらく方向は、2つの電荷を結ぶ直線上にあります(近づく方向になるか離れる方向になるかは前述のとおり)。このことを「クーロンの法則」といいます。

上記の式は非常に重要なので、各記号が何を示すかも含めて正確に覚えておくと良いと思います。

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