誘導機の同期速度と滑り

同期速度

前項にて、三相誘導電動機は回転磁界を作る固定子と、回転する回転子から構成されると説明しました。このうち、回転磁界の速度のことを同期速度といい、これは以下の計算で求めることができます。これは重要な公式なので、ぜひ覚えておいてください。

  • Ns:同期速度 [min-1]
  • p:磁極の数 [極]
  • f:周波数 [Hz]

滑り

三相誘導電動機の分野では滑りを使った計算問題がよく出題されますが、滑りは以下の計算式で定義されます。これも同期速度の公式と同様、積極的に覚えておくべき重要公式のひとつです。

  • s:滑り(単位なし)
  • Ns:同期速度(回転磁界の速度) [min-1]
  • N:回転速度(回転子の速度) [min-1]

三相誘導電動機においては同期速度のほうが回転速度よりも少し(数%程度)早いです。よって、上式右辺の分子は、同期速度に対する回転子の回転速度の遅れ(差)を指しています。

つまり、滑りというのは「同期速度に対する回転速度の遅れの比」ということになります。この滑りがあるためにトルクが発生し、電動機として利用することができます。

ちなみに、同期速度と回転子の回転速度には差があるといっても、そんなに大きな差はありません。よって、滑りsの取る値は普通は数%、大きくてもせいぜい10%程度となります。このことを覚えておけば、計算問題で計算ミスに気づけたり、あるいは最初から選択肢を減らすことができたりするかもしれません。

また、蛇足ですが、回転子の回転速度Nを求める計算問題が出題されることもあります。そのような場合は、上式を変形させて、以下の式によってNを求める必要があります。

  • N:回転速度(回転子の速度) [min-1]
  • s:滑り(単位なし)
  • Ns:同期速度 [min-1]
  • p:磁極の数 [極]
  • f:周波数 [Hz]

ただし、この式は上記の2つの式からすぐに導くことができるので(試験中に式変形しても大した時間のロスにはならないと思います)、これを無理に覚える必要はありません。同期速度と滑りの2つの公式をいっぺんに使うこともあることだけ、気に留めておいてください。

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