誘導電動機が滑りsで運転しているとき、二次銅損Pc2[W]の値は、二次入力P2[W]のs倍となります。また、二次入力から二次銅損を引いた値が、機械出力Pm[W]となります(本来は二次入力から二次銅損と機械損(鉄損)を引いた値が機械出力となりますが、誘導電動機の機械損(鉄損)は小さいため、無視できます)。
つまり、次のような関係式が成り立ちます。
これを図にまとめると、次のようになります。
また、一次側でも銅損は生じます。一次銅損Pc1[W]と二次銅損Pc2[W]は比例の関係にあり、その比は一次巻線抵抗r1[Ω]と二次巻線抵抗r2[Ω]の比になります。
そして、一次入力P1[W]は一次銅損Pc1[W]を失った上で二次入力P2[W]となり、ここからさらに二次銅損Pc2[W]を失うと機械出力Pm[W]となります。
以上のことをまとめると、次のような式が成り立ちます(式変換の仕方は色々あるので、これ以外の式の書き方もできます。以下の式は一例として参考にしてください)。
- P1:一次入力[W]
- P2:二次入力[W]
- Pc1:一次銅損[W]
- Pc2:二次銅損[W]
- Pm:機械出力[W]
- s:滑り
- r1:一次巻線抵抗[Ω]
- r2:二次巻線抵抗[Ω]
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