電験三種 H30年 機械 問14 問題と解説

 問 題     

図のように、入力信号A、B及びC、出力信号Zの論理回路がある。この論理回路には排他的論理和(EX-OR)を構成する部分と排他的否定論理和(EX-NOR)を構成する部分が含まれている。

この論理回路の真理値表として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

この手の問題は、具体的な入力信号を入れたときの出力を調べ、それに合う選択肢を絞っていけば、そのうち答えが出ます。

今回の問題でいえば、たとえば(A,B,C)=(0,0,0)として論理回路を追っていくと出力Zが1になるので、選択肢(1)、(4)、(5)が残ります。

続いて別の入力を行いますが、このとき、選択肢(1)、(4)、(5)の出力結果が全部同じでは意味がないので、それは避けて入力を選んでください。たとえば(A,B,C)=(1,1,1)として論理回路を追っていくと出力Zが0になるので、3択の中では選択肢(1)だけが当てはまり、これが正解となります。

…というような解法で充分だとは思いますが、問題文にせっかくEX-ORやEX-NORのことが強調されているので、これを利用した解法についても説明します。ただし、以下の解説にあまり執着する必要はなく、上記のように解いてもそんなに時間は掛からないと思います。


排他的論理和(EX-OR)とは、2つの入力のどちらか一方が1のときだけ出力も1となるというものです。それ以外の場合、つまり、入力が2つとも同じ場合には出力が0になります。

排他的否定論理和(EX-NOR)は、EX-ORの出力結果を否定したものです。2つの入力が異なるときにはEX-ORは1になるので、EX-NORは0となります。2つの入力が同じときにはEX-ORは0になるので、EX-NORは1となります。

以上をまとめると、次のようになります。

ここで問題の論理回路図を確認します。

上図①と②のところを見ると、①では(A,B)=(0,1)のときだけ出力が1になり、②では(A,B)=(1,0)のときだけ出力が1になることがわかります。そして③を見るとORなので、①か②の出力が1になっていれば③の出力も1になるようになっています。

ということは、上図の青枠全体でEX-ORの役割を果たしているといえます。このEX-ORの出力結果をDとします。

続いて④と⑤を見ると、④では(C,D)=(1,1)のときだけ出力が1になり、⑤では(C,D)=(0,0)のときだけ出力が1になることがわかります。そして⑥を見るとORなので、④か⑤の出力が1になっていれば⑥の出力も1になるようになっています。

これは、2つの入力が異なるときに出力が1になるという③とは対照的に、2つの入力が同じときに出力が1になるので、上図の赤枠全体でEX-NORの役割を果たしています。

以上から、この論理回路の入力・出力をまとめると以下のようになります。

よって、これを選択肢を見比べると、正解は(1)だとわかります。

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