電験三種 H30年 法規 問5 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく接地工事の種類及び施工方法に関する記述である。

B種接地工事の接地抵抗値は次の表に規定する値以下であること。

(備考) Iは、当該変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路の( エ )電流(単位:A)

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   (ア)  (イ)  (ウ)  (エ)

  1. 混触  150  600  1線地絡
  2. 接近  200  600  許容
  3. 混触  200  400  1線地絡
  4. 接近  150  400  許容
  5. 混触  150  400  許容

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

この問題は「電気設備技術基準の解釈」第17条に対応しています。条文では接地工事の種類及び施設方法が示されていますが、A種~D種接地工事のうち、今回はB種接地工事が出題されています。


B種接地工事は、低圧の電路と高圧(or特別高圧)の電路が接触する際、低圧側の電圧を異常に上昇させないようにするために必要です。ここで、接地抵抗値の上限値を下表の通りに定めています。

接地工事を施す変圧器の種類

当該変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路と低圧側の電路との混触により、低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合に、自動的に高圧又は特別高圧の電路を遮断する装置を設ける場合の遮断時間

接地抵抗値[Ω]

下記以外の場合

150/Ig

高圧又は35,000V以下の特別高圧の電路と低圧電路を結合するもの

1秒を超え2秒以下

300/Ig

1秒以下

600/Ig

※ Igは、当該変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路の1線地絡電流[A]


この表の数値はたびたび出題されているので、正確に覚えておく必要があります。この問題でも、これらを覚えていないと( イ )と( ウ )は答えられません。

( ア )については「混触」か「接近」かですが、電路同士が接近したくらいでは対地電圧は上がりません。よって、ここには「混触」を入れるのが適切です。

( エ )に関して、ここでは接地抵抗値の値をオームの法則の形で示しているので、接地抵抗値に対応する電流は地絡電流です。よって、( エ )には「1線地絡」が入ります。

以上から、正解は(1)となります。

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