電験三種 H30年 電力 問1 問題と解説

 問 題     

次の文章は、タービン発電機の水素冷却方式の特徴に関する記述である。

水素ガスは、空気に比べ( ア )が大きいため冷却効率が高く、また、空気に比べ( イ )が小さいため風損が小さい。

水素ガスは、( ウ )であるため、絶縁物への劣化影響が少ない。水素ガス圧力を高めると大気圧の空気よりコロナ放電が生じ難くなる。

水素ガスと空気を混合した場合は、水素ガス濃度が一定範囲内になると爆発の危険性があるので、これを防ぐため自動的に水素ガス濃度を( エ )以上に維持している。

通常運転中は、発電機内の水素ガスが軸に沿って機外に漏れないように軸受の内側に( オ )によるシール機能を備えており、機内からの水素ガスの漏れを防いでいる。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   (ア)  (イ)  (ウ)   (エ)   (オ)

  1. 比熱  比重  活性   90%  窒素ガス
  2. 比熱  比重  活性   60%  窒素ガス
  3. 比熱  比重  不活性  90%  油膜
  4. 比重  比熱  活性   60%  油膜
  5. 比重  比熱  不活性  90%  窒素ガス

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

( ア )と( イ )の選択肢を見ると、一方に「比熱」が入り、他方に「比重」が入ることがわかります。

問題文の1文目に「水素冷却方式」とあるように、水素は冷却効率の高い気体です。もし水素の比熱が小さいとすると、少しの熱を吸収するだけで水素自身の温度が上がってしまい、冷却効果が持続しません。しかし実際には水素の比熱は大きいので、たくさんの熱量を受け取ることができます。よって、( ア )には「比熱」が入ります。

また、水素ガスはあらゆる気体の中で最も軽いので、もちろん空気よりも比重が小さいです。よって、( イ )には「比重」が入ります。

続いて( ウ )ですが、活性とは他の物質との間で化学反応を起こしやすい性質、不活性とは反対に反応性が低い性質を意味しています。水素は反応性が低いために、絶縁物と反応して劣化させてしまうリスクは低いです。よって、( ウ )には「不活性」が入ります。

( エ )について、水素の爆発限界濃度は4%~70%程度です。これよりも低くても高くても爆発することはありません。よって、選択肢にある「60%」と「90%」のうち、爆発を起こさないほうを選べばよいので、「90%」のほうが適切です。

( オ )には「窒素ガス」か「油膜」が入りますが、窒素ガスは気体なので、水素ガスと混じり合ってしまいます。これではガス漏れとしてのシール機能を果たさないばかりか、水素濃度が下がって爆発しやすい濃度になってしまうおそれがあります。

よって、( オ )は「油膜」を入れるのが適切です。水素は油膜に溶け込んだり化学反応を起こしたりしないので、油膜によってシールすることができます。

以上から、正解は(3)です。

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