電験三種 H29年 理論 問12 問題と解説

 問 題     

次の文章は、紫外線ランプの構造と動作に関する記述である。

紫外線ランプは、紫外線を透過させる石英ガラス管と、その両端に設けられた( ア )からなり、ガラス管内には数百パスカルの( イ )及び微量の水銀が封入されている。

両極間に高電圧を印加すると、( ウ )から出た電子が電界で加速され、( イ )原子に衝突してイオン化する。ここで生じた正イオンは電界で加速され、( ウ )に衝突して電子をたたき出す結果、放電が安定に持続する。

管内を走行する電子が水銀原子に衝突すると、電子からエネルギーを得た水銀原子は励起され、特定の波長の紫外線の光子を放出して安定な状態に戻る。さらに( エ )はガラス管の内側の面にある種の物質を塗り、紫外線を( オ )に変換するようにしたものである。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   (ア)  (イ)   (ウ)    (エ)     (オ)

  1. 磁極  酸素   陰極  マグネトロン  マイクロ波
  2. 電極  酸素   陽極  蛍光ランプ   可視光
  3. 磁極  希ガス  陰極  進行波管    マイクロ波
  4. 電極  窒素   陽極  赤外線ヒータ  赤外光
  5. 電極  希ガス  陰極  蛍光ランプ   可視光

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

この問題は紫外線ランプがメインテーマですが、紫外線ランプと蛍光ランプ(蛍光灯)は同じ原理を利用したものなので、紫外線ランプに馴染みのない場合には、蛍光ランプを思い浮かべながら問題文を読んでください。

まず、紫外線ランプにしても蛍光ランプにしても、その構造はガラス管とその両端にある電極から成り、ガラス管内には水銀蒸気と希ガス(アルゴンガスやネオンガスなど)が封入されています。ちなみに蛍光ランプに関しては、このガラス管に蛍光物質が塗布されています。よって、( ア )には「電極」が入り、( イ )には「希ガス」が入ります。

( ウ )は「陽極」か「陰極」かの2択ですが、電流は陽極から陰極へ向けて流れるので、電子の流れはその反対(陰極から陽極へ)になります。よって、( ウ )には「陰極」が入ります。

( エ )に関して、上記の通り、紫外線ランプと似たような原理を使っているのは蛍光ランプ(蛍光灯)です。ガラス管の内側の面に塗っているある種の物質というのは蛍光物質のことなので、( エ )には「蛍光ランプ」が入ります。

紫外線が蛍光物質にぶつかると波長が変わり、可視光線が生じるので、( オ )には「可視光」が入ります。

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