電験三種 H29年 法規 問2 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気工事士法」及び「電気工事士法施行規則」に基づく、同法の目的、特種電気工事及び簡易電気工事に関する記述である。

  1. この法律は、電気工事の作業に従事する者の資格及び義務を定め、もつて電気工事の( ア )による( イ )の発生の防止に寄与することを目的とする。
  2. この法律における自家用電気工作物に係る電気工事のうち特種電気工事(ネオン工事又は( ウ )をいう。)については、当該特種電気工事に係る特種電気工事資格者認定証の交付を受けている者でなければ、その作業(特種電気工事資格者が従事する特種電気工事の作業を補助する作業を除く。)に従事することができない。
  3. この法律における自家用電気工作物(電線路に係るものを除く。以下同じ。)に係る電気工事のうち電圧( エ )V以下で使用する自家用電気工作物に係る電気工事については、認定電気工事従事者認定証の交付を受けている者は、その作業に従事することができる。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   (ア)  (イ)      (ウ)       (エ)

  1. 不良  災害  内燃力発電装置設置工事  600
  2. 不良  事故  内燃力発電装置設置工事  400
  3. 欠陥  事故  非常用予備発電装置工事  400
  4. 欠陥  災害  非常用予備発電装置工事  600
  5. 欠陥  事故  内燃力発電装置設置工事  400

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

aの文章は「電気工事士法」第1条の条文からの出題ですが、どの法律でも第1条には目的が書かれていて、最も重要な条文であるといえます。そのため、法律の条文が問題になるときは、第1条(目的)が出題されることが多くなります。

よって、主要な法律の第1条はなるべく正確に押さえておくと、今回のような穴埋め問題に素早く正解できるため、ある程度は暗記しておくことが望ましいです。

この条文は以下の通りです。

この法律は、電気工事の作業に従事する者の資格及び義務を定め、もつて電気工事の欠陥による災害の発生の防止に寄与することを目的とする。

( ア )には「不良」または「欠陥」が入りますが、意味がほとんど変わらないので、条文を知らない場合はここで判断できず、( イ )~( エ )を考えることで選択肢を絞ることになりそうです。とはいえ、上記の通り主要法律の第1条はしっかり押さえておきたいので、本番でこの条文が出題されたらしっかり答えられるようにしておきたいところです。

( イ )に関しても、「災害」と「事故」の意味は違えど、どちらを空欄に入れても意味が通るので、条文を押さえておかないと選ぶのは難しいと思われます。

( ウ )と( エ )を含む文章については、条文の文言が問われているというよりは、電気工事士に関する重要事項の知識が問われています。つまり、法律の第1条ではないので、これを一字一句覚えていなくてもしっかりと正解できるようになっています。

( ウ )では特種電気工事の具体例が問われていますが、現在、これは以下の2種類しかありません。

  • ネオン工事
  • 非常用予備発電装置工事

よって、( ウ )には「非常用予備発電装置工事」が入ります。

( エ )について、認定電気工事従事者は簡易電気工事をすることが認められています。簡易電気工事とは、電圧600V以下で使用する自家用電気工作物に係る電気工事のことです。よって、( エ )には「600」が入ります。

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