電験三種 H28年 法規 問4 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく移動電線の施設に関する記述である。

  1. 移動電線を電気機械器具と接続する場合は、接続不良による感電又は( ア )のおそれがないように施設しなければならない。
  2. 高圧の移動電線に電気を供給する電路には、( イ )が生じた場合に、当該高圧の移動電線を保護できるよう、( イ )遮断器を施設しなければならない。
  3. 高圧の移動電線と電気機械器具とは( ウ )その他の方法により堅ろうに接続すること。
  4. 特別高圧の移動電線は、充電部分に人が触れた場合に人に危険を及ぼすおそれがない電気集じん応用装置に附属するものを( エ )に施設する場合を除き、施設しないこと。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   (ア)  (イ)      (ウ)     (エ)

  1. 火災  地絡   差込み接続器使用  屋内
  2. 断線  過電流  ボルト締め     屋外
  3. 火災  過電流  ボルト締め     屋内
  4. 断線  地絡   差込み接続器使用  屋外
  5. 断線  過電流  差込み接続器使用  屋外

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

( ア )には「火災」か「断線」が入りますが、aの文章では( ア )が「感電」と並列の扱いとなるので、ここには「火災」が入れるのが適切です。

「断線」はむしろ「接続不良」と並列に扱われ、「断線による感電」というような文章ならわかりますが、「接続不良による断線」では文の構成がおかしくなります。

( イ )には「地絡」か「過電流」が入りますが、実は高圧の移動電線には地絡遮断器と過電流遮断器の両方が必要になります。よって、高圧の移動電線で施設しなければいけないのは…と考えても答えは出ません。

ここでは、bの文中の2つの( イ )に挟まれている「当該高圧の移動電線を保護できるよう」という言葉がポイントになります。過電流が生じた際に電線を保護する目的で施設するのが過電流遮断器で、地絡が生じたときに感電や火災が起きないようにする目的で施設するのが地絡遮断器です。

以上から、( イ )には「過電流」を入れるのが正しいと判断できます。

( ウ )について、低圧と高圧とで、移動電線と電気機械器具との接続方法が異なります。

低圧の移動電線と電気機械器具との接続には、差込み接続器その他これに類する器具を用います。

高圧の移動電線と電気機械器具との接続には、ボルト締めその他の方法により堅ろうに接続します。

よって、今回は高圧なので( ウ )には「ボルト締め」が入ります。

( エ )に関して、特別高圧の移動電線は、例外規定はあるものの、基本的には施設しないことになっています。例外的に屋内においてdの文中に記載されている条件を満たした場合のみ、その施設が認められています。

よって( エ )には「屋内」が入りますが、なるべくなら施設して欲しくない設備なので、部外者などが触れてしまうおそれの高い「屋外」は不適当だと考えると、知識がなくても正解できます。

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